実行委員会名誉会長(滋賀県知事)ごあいさつ
私たちの住む滋賀県は、日本一の湖、琵琶湖を有し、古くから京に近い湖の国ということから、”近つ淡海”を意味する「近江の国」として、様々な歴史の舞台に登場してきました。
近江は、戦国時代から江戸時代にかけて、戦略的に重要な位置を占め、浅井長政の小谷城、織田信長の安土城、羽柴(豊臣)秀吉の長浜城、明智光秀の坂本城、石田三成の佐和山城など、歴史に名を残す人物の城が数多く存在しました。
近江には、この時期、大小約1,300もの城が築かれたとも言われていますが、徳川の太平の世になるまで幾多の変遷を経て、現在も残っている城は彦根城だけです。また、昨年公募によって滋賀県が選定した「近江の城46選」で、最も支持された城は彦根城でした。そうした意味でも、彦根城は近江1,300の城を代表する城郭であると言えます。
彦根城は、国宝に指定されているだけでなく、日本がユネスコの「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産)を批准した1992年以来、世界文化遺産の暫定リストに登載されています。
その他、城内には重要文化財に指定されている櫓がいくつも残り、大名庭園であった玄宮・楽々園等、城域が特別史跡に指定されています。こうした豊富な歴史文化遺産を有する彦根城を会場として開催する築城400年祭は、滋賀が文化財の宝庫であるという一端を全国の皆様にご覧いただける絶好の機会ではないかと思っています。
また、彦根城は、近郊にあった城郭から石垣や櫓そのものを移築したり、部材などを集めて創建されたと言われており、これも彦根城の一つの特徴となっています。江戸時代の初期に、現在のリサイクルにあたる手法により城が築かれたことは、大変興味深いものがあります。
これは、ちょうど私たち滋賀県民が、琵琶湖を守るため、いち早く水環境をはじめとする環境問題に熱心に取り組んできたことや、「もったいない」という古くから近江に根付いた生活哲学と相通ずるものがあるのではないかと思っています。
皆さまには、こうした様々な魅力を放つ彦根城の築城400年祭を機に、ぜひとも彦根にお越しいただくとともに、日本一の琵琶湖や歴史・伝統・文化の香る滋賀県内の各地にお立ち寄りいただき、近江の文化に触れていただきたいと思います。
滋賀県知事 嘉田 由紀子






